旧Yoshikawaの出張所のアーカイブ

はてなグループ「ニコニコ部」にあったYoshikawaの出張所のアーカイブです。はてなグループのサービス終了時にエクスポートすることを忘れていたために、2020年4月にインターネットアーカイブからサルベージしたデータです。

次世代アイマスへの夢(2007-08-19にはてなグループに投稿した内容のアーカイブ)

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本家ではもうちょっとこれ以上アイマスネタを書きづらいので、こちらでひっそりとw

 

#以下、このエントリーはあくまで個人的な妄想を書いたもので、私の所属や肩書きには一切関係ありません。ここでの意見は全て私自身の見解であり、必ずしも私の所属する企業や組織の立場、戦略、意見を代表するものではありません。

ニコニコでのMAD動画の作成と公開はネット上という仮想世界でのアイドル育成ゲームである 

 以前にアイマスのことを書いたときにエクサさんという方から以下のようなコメントをもらいました。

今思えば、アイドルマスターは、ニコニコ動画という「場」を得ることで、 「ゲーム」として本質的に大きな変貌をしています。

最も大きな違いは、ACやXBox360では得られなかった、 リアルな「観客」「ファン」を獲得したことです。

それまでは観客やファンというのは、ゲーム上の「パラメータ」でした。

しかし、ニコニコ動画という「擬似放送局」を得ることで、 765プロダクションのアイドルの卵たちが、実際に血の通ったリアルな「ファン」を獲得することになるわけです。

 ちなみに同様なことをブログ「徒然不定記」では以下のように書いておられます。

 最近になって、ニコニコ動画にこっそりとアイマスMADを上げているのですが、それをやっていて感じたのは、「これって、アイドルマスターというゲームそのものじゃないの?」ということでした。

(中略)

 これが、ニコニコ動画だとどうなるか。

 作り手のやることは、素材選び(選曲)と編集(演技指導)がその時間の大半を占めることになります。そして、どのタイミングでアップするかを決めるまでができる事(すでにアイマスMAD PV界での流行の波というのができていますので、アップロードするタイミングというのはある程度意味を持ちます)。

 アップロードしたあとは見守るだけ。そして、それがニコニコ視聴者の共感を得られれば、再生数やコメントをたくさん貰える=ファンが増える、というわけです。ゲーム本編と似ていますよね。

(中略)

こういった、「ゲーム外ゲーム」というのが今までまったく無かったわけではないのでしょうが(ガンパレードマーチとGPM21とか)、ここまで盛り上がってる例は少ないんじゃないかと思います。

「ニコニコのアイマスMADは、もうひとつのステージかもしれない」

 そして、ブログ「Marukun's Web」でも同じようにアイマスMAD現象を分析して

善し悪しはあるでしょうが、時代の風向きが変わっていく様子を目の当たりにしている気がして、とてもワクワクしています。

「これもWeb2.0なの?」

と結んでおられます。

 これらのニコニコ動画アイマスMADを作成したりその作品を閲覧すること自体がアイドル育成のゲームになっているという説には深く共鳴するとともに凄く頷きました。さらにこの夏休みシーズンに入ってからの盛況ぶりを見ているとそれが確信にさえ変わりそうで怖い。w

 実際にMAD動画上に作られたアイドル(作品)を見て楽しんでいる観衆が確かにそこにはいてキャラだけではなく作品を作るプロデューサー単位でのファンまで出てきてます。現実のJ-POPでT.K氏のプロデュースだからとか○○プロの新人だからって注目が集まるのと同じ現象になっちゃってます。

次世代のアイマスへの期待 

 でそんなことを考えていたある日の通勤途中のアキバの路上で、ふと頭に次世代アイマスのビジネスモデルのアイデアが浮かびました。もし私にMAD作成の腕があればこのネタを「次世代アイマスの宣伝ビデオ」とか銘打ってsm396465のアペンドディスクのようなものを作ったと思いますが、あいにくと私にはそういう腕がないのでここに文章でだらだらと書いてみることにしました。

 次世代のアイマスで、最終ステージをネットワーク上の仮想世界としてその中でのリアルなアイドル育成というステージを追加するアイデア

 初期段階では今のゲームと同じようにあくまでゲームの中でアイドルを育成していってレベルを上げていく、オーディションなんかのネットワーク対戦なんかはそのまま。それでゲームの中で一定のレベルまでいくと、Remix作品(あえてMADと呼ばずにこう呼びます)の作成モードとその結果できあがった作品の公式動画共有サイトへの投稿モードが現れる仕組み。そこに作品を登録&公開すると1週間後には作品ランキングが発表されてそれに応じてランクが上がるという仕組み。

#うーん、こうやって文章で書いてみるとまさに今のニコニコでのアイマスMADそのものじゃん。w

 もうちょっと詳しくアイデアを書くと、Remix作成モードではWebサイトから自分がプロデュースしたい曲を検索&ダウンロードして、それに自分がゲーム内で育成してきたアイドルの各シーンのダンスカットを組み合わせて作品を作る機能を実装。そうオンナスキーPの動画作成解説にあったような動画編集ソフトの機能をもうゲームの中に実装してしまうということ。そしていつも問題になる著作権問題については、専用のWebサイトからの楽曲のダウンロード時にレコード会社(および他の著作権者)などとちゃんと契約をしてダウンロード時にアクセサリなどのDLCと同じように楽曲の利用料を支払う仕組みにしてしまうのです。

 次の公式動画共有モードでの公式サイトはたぶん今のニコニコのようなイメージで良いと思いますが、ここでも作品の閲覧時に楽曲の演奏使用料を閲覧ユーザ側に課金するというのも考えたりしました。これだと作品を作る技術のない見る専の人もゲームに参加できることになります。そしてこの観客の各作品への閲覧回数や投票などを週単位で集計してフィードバックされるという仕組みは、まさに今桃月Pのやっているようなランキングで各作品およびプロデュサーの評価とランクがつける感じ。

ビジネスモデルとしてはどうなんだろう? 

 さてどうでしょう?MADの制作ってある意味非合法だからこそ楽しいと感じる人もいるような気がして、ビジネスモデルとしてこのゲームが成り立つかどうかは微妙ですが、検討の余地はあるとは思っています。他にもハードルはいろいろあって楽曲の利用を合法化するための課金の金額も問題とかも。素人の私なりにJASRACのサイトでちょっと調べたところ今の日本ではこういう使い方をしても1曲1ユーザの視聴あたり3.6円~5.3円の課金になってしまうようです。(参考:JASRACネットワーク課アメリカではまさに先日ネットラジオでの楽曲の利用料が値上がりするといって揉めていたようですが、それでも1曲1回あたり$0.011~$0.019と日本よりは割安。10万回再生だとすると53万円vs23万円と30万円もの差がついてしまいます。あと元の楽曲のイメージにそぐわないRemixが出来る可能性もあるので著作人格権の問題は残りますね。

 

 以上ここまで書いたことは、今のところ職業柄かなにかおもしろい現象を見つけるとすぐにアイデアを広げようとしてしまう私がちょっと気づいた思いつきに過ぎないアイデアです。ただネット=仮想世界=もう一つの体験の場という世の中の流れもあって、いつかはこんなゲーム(仕組み?)が出来ることは否定できないと思い始めています。ニコニコ動画におけるアイマスMADの歴史メモ - 花見川@ニコニコ部 - ニコニコ部にまとめられているアイマスMADの歴史を見ながら、今の流れの後に本当に仮想世界でアイドルを創り育てる時代が来るかもしれないなんて夏休みの夜に勝手に期待したのです。

 

#上にも書きましたがこのエントリーはあくまで個人的な趣味上の意見なので、もし引用や転載するときは所属名や肩書き無しでやってもらえると助かります。

 そういえば壮大な実験であった(ある?)ホリプロ伊達杏子セカンドライフで復活したそうですね。ニコニコが仮想世界で果たしている役割は本家のほうにも書きましたが、ネットという仮想世界が今後もっと普及したときアイドルもゲームも今とはかなり違うものになるのでしょうねぇ。